(日勤募集中 どにちのみその他の精神科の薬 その1 不眠症治療薬について
2026/08/28
「OWLさるびあ」の疾患研修シリーズ。新モジュール【その他の精神科の薬 その1:不眠症治療薬(睡眠薬)の進化と現場での活用】です。
グループホームの現場において、夜間の不眠や昼夜逆転、深夜の徘徊・ナースコール増加などは、利用者様ご本人のQOL(生活の質)低下だけでなく、ケアをするスタッフの大きな負担にも繋がる重要な課題です。
かつての睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)から、現在の「依存しにくく自然な眠りを誘う新薬」への変化や、現場での服薬支援のポイントを整理していきましょう。
1. 睡眠薬の進化:従来型と新タイプの違い
近年の精神科医療では、睡眠薬の選択肢が大きく進化しました。
睡眠薬のメカニズム別分類. 出典: 和楽会
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従来型(GABAA受容体作動薬:ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系): 脳全体の活動を強制的に抑えて「眠らせる」タイプ。即効性は高いものの、転倒・ふらつき・記憶障害・耐性(効かなくなる)・依存のリスクが高いため、現在は使用を控える傾向にあります。
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新タイプ(オレキシン受容体拮抗薬・メラトニン受容体作動薬): 脳の「覚醒スイッチをOFFにする」あるいは「体内時計を整える」タイプ。自然に近い睡眠をもたらし、依存や転倒リスクが非常に低いため、現在の第一選択薬となっています。
2. 現場でよく見かける代表的な睡眠薬
グループホームの配薬でよく目にするお薬を分類別にまとめました。
| 分類・メカニズム | 代表的な薬剤名(商品名) | 作用の特徴・メリット | 現場での注意点 |
|---|---|---|---|
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オレキシン受容体拮抗薬 (覚醒を抑える) |
・デエビゴ(レンボレキサント) ・ベルソムラ(スボレキサント) |
脳の覚醒物質(オレキシン)をブロック。 入眠障害・中途覚醒の双方に効き、依存性がほぼない。 |
服用後に**悪夢(鮮明な夢)**を見ることがある。 起床時の「持ち越し(眠気)」に注意。 |
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メラトニン受容体作動薬 (体内時計を整える) |
・ロゼレム(ラメルテオン) | 睡眠ホルモン(メラトニン)に働きかけ、生理的な睡眠リズムを整える。 | 即効性はなく、数週間〜数ヶ月継続することで効果を発揮する。 |
|
非ベンゾジアゼピン系 (超短時間型) |
・マイスリー(ゾルピデム) ・アモバン / ルネスタ |
睡眠作用に特化。寝つきの悪い「入眠障害」に用いられる。 | 服用直後の健忘(前向性健忘:服薬後の記憶がない)やふらつきに注意。 |
|
ベンゾジアゼピン系 (従来型) |
・ハルシオン / サイレース ・レンドルミン(ブロチゾラム) |
強力な催眠作用。 | 依存・ふらつき・転倒のリスクが高いため、長期連用を避け徐々に減量されることが多い。 |
3. 不眠のタイプ(症状)と薬の選び方
一口に「眠れない」と言っても、利用者様によって不眠のパターンは異なります。
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入眠障害(寝つきが悪い): 床に入っても1時間以上眠れない ──▶ 超短時間型のマイスリーやデエビゴなど
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中途覚醒(夜間に目が覚める): 夜中に何度も目が覚めてその後眠れない ──▶ デエビゴやベルソムラなど
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早朝覚醒(朝早く目が覚める): 予定よりずっと早く目が覚めてしまう ──▶ 作用時間がやや長いタイプ
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熟眠障害(眠りが浅い): 睡眠時間は足りているのに疲れが取れない ──▶ ロゼレムや生活リズムの調整
4. グループホーム(OWLさるびあ)での支援・見守りのポイント
1
「就寝直前」の服薬徹底(服薬後の行動防止)
ポイント1
1.「就寝直前」の服薬徹底(服薬後の行動防止):ポイント1。
睡眠薬(特にマイスリーやハルシオンなど)を飲んだ後にテレビを見たり会話を続けたりすると、**「ふらついて転倒する」「服薬後の行動を覚えていない(健忘)」**などの事故に繋がります。布団に入る直前に服薬してもらいましょう。
2
「夜間のトイレ移動」における転倒防止
ポイント2
2.「夜間のトイレ移動」における転倒防止:ポイント2。
睡眠薬の筋弛緩作用や持ち越し効果により、夜間の排泄時に足元がふらつく危険が高まります。夜間のナースコール対応や廊下の明かり確保、必要に応じた歩行介助を徹底します。
3
睡眠日誌(睡眠パターン)の記録と非薬物療法
ポイント3
3.睡眠日誌(睡眠パターン)の記録と非薬物療法:ポイント3。
「眠れていない」という主訴に対し、実際には日中ウトウトしているケースも多くあります。日中の活動量や夜間の覚醒時間を正確に記録し、日中の散歩や日光浴など**「薬に頼りすぎない睡眠衛生環境」**を整えます。
スタッフの皆様へ
睡眠薬は、正しく使えば利用者様の心身の疲労を回復させ、日中の活動性を高めてくれる大切なツールです。
一方で、「眠れないからもう1錠ちょうだい」といった訴えに対し、安易に頓服を追加するのではなく、「部屋の温度・湿度は快適か」「日中刺激が少なすぎて昼寝しすぎていないか」といった環境面にも配慮しながら、安全な服薬サポートを心がけましょう!
次回(その2)では、精神科で併用されることの多い「抗うつ薬(SSRI・SNRIなど)の基礎と支援のポイント」について解説していきます。
まとめ
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睡眠薬の trend: 依存や転倒リスクの少ない「新タイプ(デエビゴ・ベルソムラ・ロゼレムなど)」が主流。
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安全対策: 服薬は「布団に入る直前」。服薬後のうろうろや夜間トイレ時の転倒・健忘を防ぐ。
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現場の役割: 睡眠時間や日中の様子を正確に観察・記録し、生活リズム全体をサポートする。
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