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(世話人 募集 札幌市)対人援助【コミュニケーション術編】 「聴き上手その⑩」感情を表現してもらう

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(世話人 募集 札幌市)対人援助【コミュニケーション術編】 「聴き上手その⑩」感情を表現してもらう

(世話人 募集 札幌市)対人援助【コミュニケーション術編】 「聴き上手その⑩」感情を表現してもらう

2026/10/02

「OWLさるびあ」の業務・福祉基礎研修シリーズ。今回はコミュニケーション術【聴き上手】の最終章、【対人援助における「聴き上手その⑩:感情を表現してもらう(感情の焦点を当てる技法)」】です。

利用者様が「何に困っているのか」「何が問題なのか」という「出来事や事実」だけに目を向けて会話を進めると、表面的な問題解決で終わってしまい、ご本人のもやもやや生きづらさが残ってしまうことがあります。

言葉の奥にある「そのとき、どんな気持ちだったのか」「いま、どんな感情を抱えているのか」という感情(エモーション)に焦点を当て、安心して表現してもらうことこそが、本当の意味での心の解放と信頼関係(ラポール)の確立につながります。

 

1. なぜ「感情表現」を支援することが重要なのか?

人は、自分の内に溜め込んだネガティブな感情や葛藤を言葉にして吐き出すことで、心の負荷が軽くなり、客観的に自分を見つめ直せるようになります。心理学ではこれをカタルシス効果(浄化作用)と呼びます。

【感情を表現してもらう3つの効果】

1. カタルシス効果(心の浄化) ── 気持ちを吐き出すことで、溜め込んだストレスや不安が和らぐ
2. 自己理解の促進           ──「自分は本当は寂しかったんだ」「悔しかったんだ」と自分の本音に気づく
3. 深い受容感の獲得         ──「出来事」だけでなく「感情」ごと丸ごと受け止められた安心感を得る

 

2. 感情を引き出すための3つの具体的アプローチ

利用者様が自分の感情をうまく言葉にできないとき、支援者は以下のようなアプローチで感情表現をサポートします。

① 感情に光を当てる質問(問いかけ)をする

「何があったか(事実)」を聞くのではなく、「どう感じたか(感情)」を優しく尋ねます。

  • 事実を聞く質問(NG寄り): 「昨日の面談では、担当の人から具体的に何と言われたんですか?」

  • 感情を聞く質問(OK): 「昨日の面談が終わったあと、どんなお気持ちになられましたか?」

② 支援者が「感情の言葉」を言語化(ラベリング)して返す

ご本人が自分の気持ちを上手く表現できずモヤモヤしている時は、支援者が気持ちを推察して言葉の候補をそっと提示します。

  • 会話例:

    • 利用者様: 「言われた通りにやったのに怒られて…何だかもう、どうでもよくなっちゃって。」

    • 支援者: 「一生懸命やったのに怒られたら、すごく『悔しかった』し、『理不尽だな』って感じちゃいますよね…」

    • 利用者様: 「そうなんです!すごく悔しかったんです!」(※感情が言語化されスッキリする)

③ どんな感情(特に負の感情)も否定せず全否定なしで受け止める

怒り、羨み、悲しみ、逃避願望などのネガティブな感情が出たとき、「そんな風に思っちゃダメですよ」と道徳的に正さないことが鉄則です(バイステックの「非審判的態度」)。

 

3. 現場での会話例:事実だけのやり取り vs 感情に焦点を当てたやり取り

グループホームで、他の利用者様と揉めてしまった場面での会話です。

✕ 良くない例(事実や出来事ばかりを追いかける)

  • 利用者様: 「Bさんがリビングのテレビのチャンネルを勝手に変えたんです。」

  • 支援者: 「何時のことですか?Bさんは何て言っていましたか?そのとき他の人はいましたか?」(※警察の取調べのようになり、気持ちが置き去り)

  • 利用者様: 「…もういいです。」(※心を閉ざす)

〇 良い例(感情に焦点を当てて深く聴く)

  • 利用者様: 「Bさんがリビングのテレビのチャンネルを勝手に変えたんです。」

  • 支援者: 「そうだったんですね。楽しみに見ていた番組を変えられちゃって、どんなお気持ちになりましたか?」

  • 利用者様: 「すごく悲しかったし、自分は軽視されているのかなって惨めになりました。」

  • 支援者: 「楽しみにしていたのに悲しかったし、惨めな気持ちになられたんですね…それは本当にお辛かったですね。(感情のバックトラッキング)」

  • 利用者様: 「はい…聴いてもらえて、少し気持ちが落ち着きました。」

 

4. 感情表現を促す際の注意点(無理にこじ開けない)

  • 泣いたり怒ったりする感情の表出を恐れない 利用者様が涙を流したり声を詰まらせたりしたとき、「泣かないで」と止めるのではなく、ティッシュをそっと差し出し、静かに待つ(前回の「沈黙」の実践)ことが大切です。

  • 踏み込みすぎない(相手のペースを守る) トラウマや強い葛藤に関わる感情は、無理に吐き出させるとパニックやフラッシュバックを引き起こすことがあります。「話したくない時は無理に話さなくても大丈夫ですよ」と安全基地を保障しましょう。

 

まとめ

  • 本質: 聴くべきは「起きた事実」だけでなく、「そのとき心がどう動いたか(感情)」。

  • 姿勢: ネガティブな感情も含めて丸ごと受け止め、言葉にならない思いを優しく言語化する手助けをする。

  • 極意: 感情がしっかり表現され、受け止められたとき、ご本人は自ら前を向くエネルギーを取り戻す。

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