(世話人 週1から 日勤)熱中症が起きやすい環境(入浴編)
2026/06/25
「OWLさるびあ」の医療・安全管理研修シリーズ。今回は、夏の熱中症対策の中でも特にブラインドスポット(盲点)になりやすく、かつグループホームの生活支援において毎日必ず発生する【入浴時の熱中症】にスポットを当てて学びましょう。
「お風呂で熱中症?」と思われるかもしれませんが、実は浴室や脱衣所は、室内における熱中症の発生リスクが極めて高い危険地帯です。特に精神科のお薬を内服されている利用者様は、入浴による急激な体温上昇に体がついていかないリスクが跳ね上がります。
スタッフの皆様が「夕食前後の入浴介助・見守り時」にどこに目を光らせるべきか、具体的な環境リスクとプロの予防マナーを整理していきましょう。
1. なぜお風呂は危険?浴室・脱衣所に潜む「3つの環境リスク」
入浴時に熱中症が起きやすいのは、お風呂特有の環境と、利用者様の身体的特性が重なるからです。
① 「高温・多湿」のダブルパンチ(浴室)
熱中症は「気温」だけでなく「湿度」が高いと急激にリスクが上がります。浴室は40℃近いお湯から出る湯気で湿度が100%に近くなるため、汗をかいても蒸発せず、体の中に熱がどんどんこもってしまう(熱が逃げない)状態になります。
② 脱衣所の「エアコン切り忘れ・未設置」
浴室から出た直後の脱衣所が蒸し風呂状態になっているケースが一番危険です。「他の部屋のエアコンはついているのに、脱衣所だけ冷房が行き届いていない」という環境だと、お風呂で上がった体温をさらに上昇させてしまいます。
③ 精神科薬の副作用による「脱水と体温調節の遅れ」
これまで学んできた通り、精神科のお薬(特に向精神薬や抗コリン作用のある薬)の影響で、利用者様は「喉の渇きを感じにくい」「汗をかいて体温を下げる機能が弱い」状態にあります。自覚がないまま、湯船に長く浸かってしまい、気がついた時には重症化しているケースが目立ちます。
2. 【脱・盲点】入浴熱中症を防ぐ「3つのプロマナー」
グループホームの現場で、利用者様の安全で心地よいお風呂時間を守るために、スタッフ全員で一貫して行うべき予防マナーです。
◎ マナー1: 「入浴前」と「入浴後」の水分補給を仕組み化する
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対応: 利用者様が「喉が渇いていない」と言っても、入浴によってコップ1〜2杯分の水分(約300〜500ml)が失われます。
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声かけ: 「〇〇さん、今からお風呂だね。お風呂に入ると結構汗をかいちゃうから、入る前にこのお水ひと口飲んでおこうか」「さっぱりしたね!はい、冷たい麦茶どうぞ」と、入浴前後の水分補給をワンセットのルーティンとして声かけします。
◎ マナー2: 脱衣所の温度を「先回り」してコントロールする
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対応: 利用者様が入浴を始める30分前には、脱衣所のエアコンや扇風機をまわし、空間を十分に涼しくしておきます。浴室のドアを閉めきって湯気が脱衣所に流れ込まないようにする配慮も有効です。また、お湯の温度設定が「41℃以上」と高くなりすぎていないかも、スタッフが事前にチェックします(理想は39℃〜40℃のぬるめ)。
◎ マナー3: 「長湯」を防ぐ、さりげない声かけ(見守り)
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対応: 湯船に浸かる時間は「10分以内」が目安です。気持ちよくなってウトウトしてしまったり、時間の感覚を忘れて長湯してしまったりするのを防ぐため、スタッフが時間を意識して声をかけます。
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OWLさるびあ流の声かけ: 「〇〇さん、お湯加減どうだい?そろそろ10分経つから、一度上がって体洗おうか」「長湯すると後からクラクラしちゃうから、そろそろ上がって冷たいお茶飲みにいこう!」と、本人の自尊心を傷つけないよう、優しく湯船から上がるよう促します。
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20〜60代スタッフの皆様へ: 「お風呂上がりの様子」にプロの観察眼を
入浴介助や見守りは、お風呂から上がって着替えが終わったら「ひと安心」と思いがちですが、実は熱中症の症状(めまいや血圧低下)は、お風呂から上がった直後にドッと出ることが多いのです。
特にベテランスタッフの皆様の鋭い観察眼で、お風呂上がりの利用者様の「小さな変化」をキャッチしてください。
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「いつもより顔の赤みが全然引かないな」
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「着替えた後、リビングのソファでぐったり横になっているな」
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「声をかけても、なんだか生返事でぼーっとしているな」
こうした「いつもと違う」違和感に気づいたら、すぐにエアコンの効いた部屋で涼ませ、前回の研修で学んだ【首の後ろ・両脇・股の付け根】を冷やす応急処置を行い、水分を摂らせてください。
お風呂は利用者様にとって1日の疲れを癒やす最高の時間です。その時間を安全でリラックスできるものにするために、スタッフ一同で「先回りの環境づくり」を徹底していきましょう!
まとめ
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環境リスク: 浴室の「高温多湿」と、脱衣所の「冷房不足」が熱中症を招く。
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予防の鉄則: お風呂の「前」と「後」に必ず水分を摂ってもらう。
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スタッフの動き: 脱衣所をあらかじめ冷やし、長湯(10分以上)にならないよう声をかける。
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