(日勤 夜勤 週一から)自閉症~多機関連携と保護者支援・職員のセルフケア~
2026/07/29
「OWLさるびあ」の疾患研修シリーズ。今回は自閉症(ASD)支援の最終章として、ご本人を取り巻くネットワークを強固にし、持続可能な支援体制を作るための【多機関連携・保護者(ご家族)支援・職員のセルフケア】について学びます。
自閉症のある方への支援は、グループホーム単体で完結するものではありません。日中の通所先、医療、相談支援、そして保護者(ご家族)とチームとなり、同時に支援者であるスタッフ自身の心身の健康を守ることが、質の高いケアを長く続ける基盤となります。
1. 一貫した支援をつくる「多機関連携」
自閉症のある方は「環境の変化」や「関わる人による対応のブレ」に強い不安を感じます。関係機関が同じスタンス・同じ視覚支援ツール(統一されたスケジュールや手順書)で関わることが大切です。
【多機関連携の連携環】
[相談支援専門員]◀ーー 計画作成・全体調整 ーー▶[医療機関(主治医)]
▲ ▲
│ │
[グループホーム]◀ーー 日常の様子・統一支援 ーー▶[日中活動(就労・生活介護)]
(OWLさるびあ)
💡 連携で意識するポイント
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「良い状態・成功した工夫」の情報共有: 「〇〇の伝え方に変えたら落ち着いて行動できた」といったポジティブな対応策を日中活動先やご家族とタイムリーに共有します。
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環境移行時のバトンタッチ: 帰宅時や出勤時の様子(睡眠状態、感情の起伏など)を連絡帳や連絡ツールで短く正確に引き継ぎます。
2. 保護者(ご家族)への支援と向き合い方
長年、独力で手探りのケアを続けてこられたご家族は、深い愛情と同時に慢性的な疲労感や「将来への強い不安」を抱えています。
ご家族の心理的負担と寄り添い方
| ご家族の想い・状況 | スタッフの望ましいアプローチ |
| 「ちゃんと生活できているか不安」 | 写真や具体的なエピソードを交え、「ホームで安心して過ごされている様子」を定期的に伝える。 |
| 「家庭とホームで行動が違う」 | 家での様子を否定せず、「家庭=最も甘えられる安心な場所」だからこそ見せる姿であることを理解し、ねぎらう。 |
| 「親なき後の生活が心配」 | 「ご家族と一緒に長期的にお子さん(利用者様)の生活を守るチームです」という姿勢を示す。 |
ご家族支援の基本態度: 支援の「指導者」として接するのではなく、ご本人の理解者であるご家族の苦労をねぎらい、**「共に歩むパートナー」**として信頼関係を築きます。
3. 支援者のバーンアウト(燃え尽き)を防ぐ「セルフケア」
自閉症支援では、パニック対応や強いこだわりへの付き添いなど、緊張感の高い場面が少なくありません。スタッフ自身のメンタルヘルスを守る工夫が不可欠です。
支援者が陥りがちな「心理的ストレス」
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感情の引きずり: 利用者様の感情の高ぶり(パニックや暴言・不穏)を正面から受け止めすぎて傷ついてしまう。
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課題の抱え込み: 「自分がなんとか対処しなければ」と一人で背負い込んでしまう。
現場で実践する3つのセルフケア原則
1.「行動画」と「本人の人格」を分けて捉える:思考の切り離し。
パニックやこだわり行動は、スタッフへの攻撃ではなく「環境へのキャパオーバー(パニック状態)」の現れです。「自分への拒絶」と受け取らず、冷静に背景(要因)を観察する視点(客観視)を持ちます。
2.「一人で抱え込まない」チームデブリーフィング:チームで共有。
大変な対応があった後は、シフト交代時やミーティングで「今日こんなことがあって疲れた」「怖かった」と感情を吐き出せる場(デブリーフィング)を作ります。
3.「役割の交代」と「リフレッシュ」の徹底:オン・オフの切り替え。
対応に行き詰まったら、途中で他のスタッフに「交代してほしい」と声をかける文化を作ります。勤務が終わったら仕事の思考をオフにする切り替え習慣を大切にします。
スタッフの皆様へ
自閉症支援の主役は利用者様ですが、その生活を温かく支えるスタッフの笑顔と健康こそが最大の支援環境(道具)です。
ご家族や外部機関と手を取り合い、そしてホームの仲間同士で助け合いながら、一人で頑張りすぎない「持続可能な温かい支援」を目指していきましょう!
まとめ
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多機関連携: 統一したアプローチと情報の可視化で、利用者様に安心感を提供する。
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保護者支援: 批判や指導ではなく、長年の労をねぎらい「パートナー」として信頼を築く。
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セルフケア: 感情を一人で抱え込まず、チームでの助け合い・交代・感情の吐き出しを日常化する。
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