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(障がい者グループホーム 日勤募集中)精神障害 記憶の障害

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(障がい者グループホーム 日勤募集中)精神障害 記憶の障害

2026/05/28

「OWLさるびあ」の精神医学研修シリーズ。精神症状の体系的な学びもいよいよ大詰めです。今回は、私たちの「アイデンティティ(自分らしさ)」や「日々の安心」を形作る最も重要な土台、【記憶の障害】について学びます。

記憶の障害とは、単なる「物忘れ」ではなく、情報の登録・保管・引き出しのシステム(脳のネットワーク)が、病気やアルコール・物質の影響、あるいは強い精神的ストレスによってうまく機能しなくなる状態を指します。

利用者様が「覚えたくても覚えられない苦しさ」や「過去が消えていく恐怖」とどう戦っているのか、その内面に迫りながら、プロとしての寄り添い方を整理しましょう。

 

1. 記憶のプロセスと3つの障害パターン

記憶は、脳の中で「① 覚える(記銘:きめい)」→「② 保つ(保持・固定)」→「③ 思い出す(想起:そうき)」という3つのステップを踏んでいます。障害はこのどこかが破綻することで起こります。

 

① 健忘(けんぼう): 記憶が抜け落ちる

ある一定の期間の記憶が失われる状態です。

  • 前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう): 原因(頭部外傷やアルコール大量摂取など)が起きた「あと」の出来事を覚えられない状態。さっき聞いたこと、数分前の出来事が頭に残りません。

  • 逆向性健忘(ぎゃくこうせいけんぼう): 原因が起きる「まえ」の過去の記憶が思い出せなくなる状態。自分の名前や家族の顔、これまでの人生の歴史が消えてしまいます。

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② 記憶錯誤(きおくさくご): 記憶がすり替わる

事実とは違う内容を、正しい記憶として思い込んでしまう状態です。

  • 作話(さくわ): 記憶の抜けた穴(空白)を、本人が無意識のうちに「作り話」で埋めてしまう症状です。嘘をつこうという悪意は一切なく、本人にとってはそれが「本当の思い出」です(アルコール依存症に伴うコルサコア症候群などで有名です)。

  • 既視感(デジャブ)/未視感(ジャメブ): 初めての場所なのに「前にも来たことがある」と感じたり(既視感)、毎日いるホームなのに「見たこともない場所だ」と感じたりする(未視感)状態です。

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③ 記憶増強(きおくぞうきょう): 記憶が溢れかえる

過去の細かな出来事が、異常なほど鮮明に、次から次へと思い出されてしまう状態です。躁状態などで見られ、脳が過度に興奮して疲弊する原因になります。

 

2. 現場での接遇マナー: 「恥をかかせない」と「安心の見える化」

記憶がうまく働かない利用者様は、常に「暗闇の中で道に迷っているような強い不安」を抱えています。スタッフの些細な一言が、彼らの自尊心を深く傷つけることがあります。

◎ 忘れてしまったときのマナー: 「クイズにしない・責めない」

同じことを何度も聞いてくる利用者様に対し、記憶を試すような対応は厳禁です。

  • △(NG): 「さっきも言いましたよね?」「今日のお昼何食べたか覚えてますか?」

  • ◎(OWLさるびあ流): 「今日のお昼は〇〇さんのお好きなカレーでしたよ。美味しかったですね(笑顔でサラッと伝える)」

    • 忘れている事実を突きつけるのではなく、その場で「正しい情報」を優しく手渡します。何度も聞くのは、それだけ「今、不安でたまらない」というサインです。

◎ 作話(作り話)へのマナー: 「間違いを暴かない」

「昨日、ハワイへ旅行に行ってきたんだ」など、明らかな作話があっても、理詰めで否定してはいけません。

  • 対応: 「そんなわけないでしょう」と嘘を暴くのではなく、「ハワイですか、それは楽しそうですね」「〇〇さんは旅行がお好きなのですね」と、その話がもたらす「楽しい気分」や「会話のキャッチボール」の時間をそのまま共有します。

◎ ケアの工夫: 「記憶の補助輪(仕組み化)」

本人の「覚えよう」とする努力に頼るのではなく、忘れても大丈夫な環境を作ります。

  • 対応: 日程やルールは、メモに書いて本人の部屋の見えやすい場所に貼る、ホワイトボードに今日のスケジュールを「見える化」しておくなど、いつでも自分で確認して安心できる仕組みをチームで整えます。

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20〜60代スタッフの皆様へ

皆さんも、大切な約束をうっかり忘れてしまったり、スマートフォンの置き場所が分からなくなって焦ったりしたときに、誰かから「なんで忘れるの?」と冷たく言われたら、とても惨めで、イライラした気持ちになるはずです。

記憶の障害を抱える利用者様は、その「焦りと情けなさ」を、毎日の暮らしの中で何十倍も強く感じています。昨日できたことが今日できない、大好きな人の名前が出てこない。それは想像を絶する恐怖です。

「OWLさるびあ」のスタッフに求められるのは、彼らの消えゆく記憶の代わりに、「大丈夫ですよ、私たちがちゃんと覚えていますから安心してくださいね」という変わらない灯台であり続けることです。皆さんのどっしりとした温かいサポートがあれば、たとえ昨日を忘れてしまっても、利用者様は「今、この瞬間」を笑顔で安心して生きることができます。

 

まとめ

  • 記憶障害: 単なる物忘れではなく、脳のシステムエラー。悪意のない「作話」も含む。

  • 対応の基本: 記憶を試さず、責めず、正しい情報をその都度優しく伝える。

  • 安心感: メモやホワイトボードなどの「見える化」で、忘れても大丈夫な環境を作る。

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